それは、一言で言えば、「教育消費者」としての保護者観である。「モンスター・ペアレント」という言葉が造語させるほど、いま、親・保護者の「クレーム」が多い。わたしは、これらのクレームはむしろ今、上記の提案のごとく強引に進められてきている「学校選択制」や、学校に対する「外部評価」「第三者評価」導入などによる市場原理主義、学校競争主義の政策がもたらした典型的な社会現象であると見ている。これらの政策は、教育を一種のサービスと考え、親・保護者は教育をお金(税金)で買う消費者と見立てている。親に学校を「外部評価」させて、選択させ、「商品の品定め」をさせることで、消費者意識をあおっているのである。「クレーム」はその意識の反映である。
教育はサービスではない。わたしたちの憲法には、教育は国民の権利である、と書いてある(26条)。権利とは、人間としての当然の要求や意思が社会的に承認されることをさしている。権利としての教育は人間として当然に保障されものであり、これを享受する国民の意思が反映されなければならない。学校は、国民共同の意思の反映の場として、教職員だけでなく保護者や住民、子どもたちなどの教育共同体として運営されてこそ光り輝く存在だと思う。親・保護者は教育消費者として「クレーム」をつける存在ではなく、教育を共に担う「教育パートナー」として協働して問題解決に当たる教育当事者である。そのような保護者観に立つことが教育改革の第一歩であり、また「クレーム」問題の根本解決につながる、と考えなければならない。
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